…俺は直江か。

他の誰でもなく自分だけがただ貴方の側にありたいと思う。他の誰にも貴方を渡さない。自分以外の存在を側に置くことなど許さない。そんなことを考えてしまう自分に呆れ返ってみたりする。そんな日々。
嫉妬。そんな詰まらない物でしかないとわかっていてもこころは想いに囚われて醜く精神を蝕んでいく。望まなければこんな気持ちにならずにすんだのかもしれないと思考することすらおこがましい。どんなに存在を許されても自分自身がそれを否定し続けている。我儘。口にすることすら許されないような束縛の紐。だからこそ口を噤みただ黙することのみを己に許可する。何ごともなかったようにもう綺麗さっぱり洗い流せたように振舞うしかない。嘘をつくのではなく現実から目を逸らす。それならばたぶん目を瞑ってなかったことにしてもらえるだろうから。
許せない自分が偏狭なのか許している気にしていないというその言葉が多分に気付かぬ嘘を孕んでいるのか。わからない。ただわかっているのは今となってはその存在がとても気に入らないということ。苛立たしく腹立たしく目障り。どれだけのことをしたのか知らないのなら思い知らせてやりたい。
ただ理解した上でまた側に在るなら。その時には。どうすればいいだろう。