体調不良日記-Ver.2005- 5日目。

とはいってもほとんど終わりかけてるので、楽なわけですが。そうじゃなかったら泣きますよ、1日中映画漬けなのに。というわけで『ローレライ』試写会×3行ってきました! 以下若干ネタばれ含む感想を書く予定なので隠してみる。
ネタばれしない程度に書いておくと、原作をまだ読んでない人は映画を観てから読んだ方がいいと思うです。読んでしまった人は、ひとまず原作を頭の脇においてから観ることをお勧めしましょう。頭の中にある『俺版ローレライ』を忘れて観た方がいいような希ガス
率直なところ、3回立て続けに観てやっと腑に落ちた感じ。どうしても…原作と見比べてしまうところがあって、そうするとどうしても物足りないなぁ、と。初回の感想は『原作を読んだ人には物足りなくて、読んでない人には(説明不足で)物足りない』だったから。削っちゃいけない部分、熱感、そういったものが圧倒的に少ないように思った。CGの合成が浮き気味なのはある程度しょうがないと思うし、それはあまり苦痛じゃなかった。水中戦とかよく描けてたと思うし。でも…細かいところに突っ込みどころ満載@シナリオ、って感じ。
一人の人間に何人ぶんかの役割を振ってしまってる感じがあったので、そのあたりでかなり苦労してるなぁ、と。高須に(フリッツだけじゃなく)土屋のぶんの役まわりまでやらせたのはまずいでしょ。朝倉は薄っぺらい感じがしたし(あそこで自殺するキャラじゃないと思う)、往人は普通に皇軍兵士になっちゃってて清永のキャラ奪っちゃってるし、パウラとの間の感情の行き来がわかりにくいし、時岡が格好よすぎるし、田口の変節がちょっと唐突に見えるし(アイスのお礼を云う相手が掌砲長だったのはそのせいか…)とまぁ、いろいろあるんですが。
何よりかわいそうなのは清永だと思うます! あれじゃまさしく犬死じゃないですか!! あと木崎さん、どうしてあそこでお守りのあやとり紐を口に銜えたんですか? …ってああ! そうかお守りだからこそ汚したくないと思って銜えたんだね! (今気づいた) そのあたりは微妙に原作のテイストが残ってるってことですな。ふむふむ。
完全に主役は絹見(まさみ、って入れても変換してくれなかったよ)艦長。すべていいとこ取り。往人の見せ場的シーンすら持ってってしまってる(朝倉に楯突くとこ)から、『子供たちに最後まで頼ってしまった』という艦長の台詞が浮いてますた。原作読んでないとポカーンとしちゃうかも、って思った。
あーとー。やっぱり『椰子の実』がほしかった…しかも伊507が最後どうなったか、というかなり美味しいところを描かずに終わってしまったのが残念。描かないのが映画の手法だとは思うけどね、最後の最後でCG駆使しまくっての大艦隊戦が観たかったなぁ…と。じゃないと、アメリカの艦隊の面目丸つぶれですよ? いいようにやられっぱなしですよ? いいんですかねそれで。凄くもったいない。


とここまで辛口に書いておきながらも、評価としてはそれなりにいけてるんじゃないかという風に判断してます。原作とは別のものとして、評価するべきだと思うし。ただ、かけられた期待の大きさやプロモーションの大きさに対してのクオリティとしては…どうだろう? 微妙に負けてる気がする。好きだからこそあえてそう云いたい。もっとシナリオを練りこんで、エピソードを単純化してもいいから『熱』のある作品にしてほしかった。あるいはCGの凄さを売りにしていけるような、パワーで押し切っちゃう作品にするとか(押し切るには少し足りない感じがする)、どちらかにもっと大きく踏み込んでくれた方がよかったかもしれない。何気なく中途半端。


以上、原作好きが試写会を3回観て思った素朴な意見でした。